家族が亡くなったら銀行口座はいつ凍結される?葬儀費用・引落し・空き家の支払いを確認
ご家族が亡くなった後、「銀行口座はすぐ凍結されるのか」「葬儀費用を故人の預金から支払えるのか」と心配になる方は少なくありません。
さらに、亡くなった方の自宅が空き家になる場合は、電気・水道・ガス、火災保険、固定資産税などの支払いが、その口座から続いていることがあります。口座の取引が止まると、空き家の管理に必要な契約まで支払えなくなる可能性があります。
この記事では、銀行口座が凍結される時点、凍結後に止まる取引、葬儀費用などに使える預貯金の払戻し制度、四十九日ごろまでに確認したいお金と空き家のことを整理します。
死亡した瞬間や、死亡届の提出だけで自動的に凍結されるわけではありません
一般的に、口座名義人が亡くなった瞬間に、すべての銀行口座が自動的に凍結されるわけではありません。また、市区町村へ死亡届を提出した情報が、各銀行へ自動的に通知される仕組みでもありません。
銀行は、ご家族からの連絡や相続手続きの申出などにより名義人の死亡を確認した時点で、原則として口座の取引を制限します。全国銀行協会も、相続の連絡と同時に、亡くなった方の口座の入出金等は原則として制限されると案内しています。
ただし、「銀行へ連絡するまでは自由に使ってよい」という意味ではありません。亡くなった時点で預貯金は相続財産になります。故人のキャッシュカードや暗証番号、インターネットバンキングを使って引き出すと、他の相続人との精算や相続放棄の判断で問題になることがあります。
葬儀費用などが必要な場合も、先に金融機関へ相談し、正式な相続手続きや払戻し制度を確認してください。
口座が凍結されると、引き出し以外の取引も止まります
口座の取引が制限されると、ATMや窓口からの引き出しだけでなく、振込みや口座振替なども利用できなくなります。金融機関や取引内容によって扱いは異なりますが、次のような入出金に影響する可能性があります。
- 電気・水道・ガスの料金
- 電話、インターネット、NHK、各種サービスの料金
- クレジットカードの利用代金
- 家賃、管理費、修繕積立金、地代
- 住宅ローンなどの返済
- 火災保険などの保険料
- 固定資産税などの口座振替
- 年金、家賃などの入金
引落しができなかった場合の扱いは、支払い先との契約によって異なります。口座が止まる前後に、どの支払いがあるのかを通帳、銀行アプリ、郵便物、請求書などから一覧にしてください。
空き家の支払いは、一律に解約せず「残す契約」を先に決めます
亡くなった方の自宅が空き家になっても、すべての契約をすぐ解約するとは限りません。
例えば、定期的な換気や清掃、漏水確認、修繕、売却準備で電気や水道を使うことがあります。火災保険は、居住者がいなくなったことを保険会社へ伝え、契約を継続できるか、補償内容の変更が必要かを確認します。
最初に、次の3つへ分けると整理しやすくなります。
- 空き家の管理に必要なので、契約と支払いを残すもの
- 名義や引落し口座を変更して継続するもの
- 利用していないため、内容を確認して解約するもの
判断がつかないまま止めると、現地確認や管理に支障が出ることがあります。公共料金を残すか迷う場合は、空き家の電気・水道・ガスは止める?も参考にしてください。
葬儀費用などが必要な場合は、遺産分割前の払戻し制度があります
相続人全員による遺産分割が終わる前でも、相続人が一定額まで預貯金の払戻しを受けられる制度があります。
家庭裁判所の判断を経ず、金融機関の窓口で払戻しを求める場合の上限は、次の計算による金額です。
相続開始時の預貯金額(口座ごと)×3分の1×払戻しを受ける相続人の法定相続分
ただし、同じ金融機関から受けられる払戻しは、相続人一人につき合計150万円が上限です。比較的大きな資金が必要な場合には、家庭裁判所の判断を受けて仮払いを求める制度もあります。
必要書類や受付方法は、遺言書や遺産分割協議書の有無、相続人の範囲、金融機関によって異なります。通帳、キャッシュカード、印鑑が見つからない場合も含め、まず取引のある金融機関へ確認してください。
四十九日ごろまでの「お金と家」の確認表
四十九日は法律上の手続期限ではありません。また、宗教やご家庭によって法要を行う時期や形式は異なります。ここでは、ご家族が集まりやすい一つの節目として、確認する内容を時系列にまとめます。
亡くなってから7日ごろまで
- 財布、通帳、キャッシュカード、印鑑、銀行からの郵便物を一か所に保管する
- 故人のカードや暗証番号を使って、慌てて預金を引き出さない
- 葬儀費用や当面の生活費を、誰がいったん支払うか家族で確認する
- 領収書を保管し、支払った人、金額、目的を記録する
- 自宅が空き家になる場合は、施錠と郵便物、冷蔵庫、漏水などを確認する
8日から14日ごろまで
- 取引していた金融機関と口座を、分かる範囲で一覧にする
- 通帳や明細から、定期的な引落しと入金を確認する
- 金融機関へ死亡の連絡方法と必要書類を確認する
- 電気・水道・ガス、保険、税金など、止まると困る支払いを洗い出す
- 家族のうち、銀行や契約先へ連絡する窓口を決める
15日から30日ごろまで
- 継続が必要な契約の名義や引落し口座の変更を進める
- 葬儀費用などで預金が必要な場合は、払戻し制度を金融機関へ相談する
- 預金だけでなく、借入れ、ローン、カード残高、未払金も確認する
- 遺言書の有無、相続人となる人、相談が必要な専門家を確認する
- 空き家へ誰が入り、誰が管理するかを家族で共有する
31日から四十九日ごろまで
- 確認できた預貯金、負債、継続する支払いを家族で共有する
- 空き家を当面管理するのか、整理や売却の検討へ進むのかを話し合う
- 家財のうち、通帳、印鑑、契約書、権利証、保険証券などを分けて保管する
- 相続放棄を検討する可能性がある場合は、財産を処分する前に専門家へ相談する
- 終わっていないことを一覧にし、担当者と次の確認日を決める
四十九日までに、口座の解約や相続手続きをすべて終わらせる必要はありません。まず、口座から出入りしているお金と、空き家の管理に必要な支払いを把握できれば、次の判断がしやすくなります。
四十九日を過ぎてから期限が来る手続きもあります
相続放棄は、原則として、自分のために相続が始まったことを知ったときから3か月以内に家庭裁判所へ申述します。財産や負債が分からず判断できない場合は、期間を延長する申立てができることもあります。
相続税の申告と納税が必要な場合の期限は、原則として、相続開始を知った日の翌日から10か月以内です。
相続放棄の可否や相続税申告の要否は、個別の状況によって異なります。判断が必要な場合は、弁護士、司法書士、税理士などの専門家へ確認してください。
暗証番号やカードを相談先へ渡さないでください
銀行口座の確認を依頼する場合でも、キャッシュカード、暗証番号、インターネットバンキングのID・パスワードを第三者へ渡さないでください。
相談時に必要なのは、金融機関名、口座の種類、支払い先、郵便物の内容など、状況を整理するための情報です。実際の相続手続きや払戻しは、相続人が金融機関の正式な窓口で行います。
空き家のこれから相談所で、支払いと次の対応を整理します
空き家のこれから相談所では、流山市を中心とした東葛地域の空き家について、亡くなった方の口座から支払われていた公共料金、保険料、税金、管理費などを確認し、空き家の管理に必要な契約と、変更・解約を検討する契約を整理します。
銀行手続きや相続について専門的な判断が必要な場合は、状況に応じて地域の専門家・事業者をご案内します。ご本人の同意を確認したうえで情報を共有し、見積もり取得を支援することもできます。
専門的な判断、見積もり、契約、手続きは各専門家・事業者が担当し、利用者と専門家・事業者が直接契約します。相談所がキャッシュカードや暗証番号等を預かり、銀行手続きを代行することはありません。
まず、電話・公式LINE・お問い合わせフォームから相談日時をご予約ください。実際の相談は、空き家等の現地訪問またはオンラインで行います。
事業者への取次ぎ後も、進捗確認・完了確認を行い、次の解決に向けて伴走します。相談内容と進行状況は「ご相談カルテ」に記録し、継続して確認します。
相談・事業者への取次ぎ・進捗確認・完了確認に、費用はかかりません。
※事業者へ依頼する業務の費用は別途かかります。
まとめ|凍結を恐れて引き出す前に、口座と支払いを一覧にします
銀行口座は、一般的に、金融機関が名義人の死亡を確認した時点で取引が制限されます。しかし、凍結前なら故人の預金を自由に使えるという意味ではありません。
まず、取引していた金融機関、定期的な引落し、空き家の管理に必要な支払いを一覧にします。葬儀費用などが必要な場合は、故人のカードを使わず、遺産分割前の預貯金払戻し制度を金融機関へ相談してください。
四十九日は、すべてを終わらせる期限ではありません。口座、負債、支払い、空き家の状態を家族で共有し、次に誰が何を確認するかを決める節目として活用しましょう。
